世界的に有名な児童小説『ジャングル・ブック』の生みの親であり、ノーベル文学賞を受賞したイギリスを代表する作家、詩人のラドヤード・キプリング。彼の遺した一編の詩をもとに創作された舞台が『My Boy Jack』だ(作:デイヴィット・ヘイグ)。第一次世界大戦のさなか、国家のために戦地に赴くことこそ男子の誉れと信じ、息子ジョン(ジャック)を入隊させる父ラドヤード(眞島秀和)、ジャックの身を案じて不安な日々を送る母キャリー(倉科カナ)、父の期待に必死に応えようとするジャック(前田旺志郎)とその姉エルシー(夏子)。それぞれの心情を細やかに綴った家族の物語が、演出家・上村聡史の指揮のもと、精鋭キャスト陣によっていかに立ち上がろうとしているのか。その様子を探るべく、稽古場を訪れた。
重苦しい戦争の時代を背景とした作品ゆえに、さぞや緊張が張り詰めて……と勝手に予想していたが、稽古場に組まれた舞台セットの上では俳優たちが各々、台詞を確認しながらテキパキと体を動かし、また袖でスタンバイしながら談笑している眞島と前田“親子”の姿も見える。上村の「それでは始めましょう」の合図で音響が入り、通し稽古が始まった。
和やかな父と息子の会話から伝わるのは、名誉ある経験や地位を息子に与えたい父の情熱と、本望を捨てても父の期待に沿いたい息子の切なる思い。眞島の穏やかな物腰と温かみのある声に著名作家の知性と品格が滲み出て、強引ではあるけれど息子へ注ぐ深い愛情が見てとれる。前田は素直な振る舞いに育ちの良さが漂うが、柔らかな笑顔に微かに浮かぶのは悲壮な諦観だ。一方キャリーの全身からは、「まだ幼い息子を危険な目に合わせたくない」、そんな無音の叫びが聞こえるよう。倉科の艶のある低音ボイスに、夫に対する静かな憤り、息子をかばう強い意志がこもる。
陸軍の大佐(佐川和正)と軍医(土屋佑壱)との面談を特別に設けるなど、ラドヤードはあらゆる手を尽くすが、酷い近視であるジャックに入隊への道は遠い。しかし人脈を駆使して、ついに息子を軍隊へと送り込む。弟を心配し、父親に強く問い質すエルシー。夏子の明晰な澄んだ声、凛とした立ち姿が美しい。キャリーとエルシーの不安に共鳴するごとく動悸を覚えるまま、場面は戦場の塹壕へと一転した。ここで近衛兵に扮する三人、佐川と土屋、小林大介が見せる、生死の境で生々しく足掻く、泥臭いやりとりが秀逸だ。ここまで、まさしく指揮者のごとく両手を泳がせたり、拳に力を込めたりして演技を鋭く見つめていた上村も、三人が繰り出す必死ゆえの滑稽さに思わず吹き出し、笑い声をあげる。そんな一見愚かしくもたくましい彼らの生の厚みに対し、上官として統率すべきジャックの脆弱な応対はあまりにむなしく、動悸がさらに高まっていく。無惨にも下った突撃命令に、ジャックは意を決して前進し……。息を飲む一幕ラスト、続く二幕ではジャックの消息を巡ってラドヤード、キャリー、エルシーら家族の葛藤がより高潮し、息詰まる展開に。彼らの慟哭、頬をつたう涙に同調せずにはいられない。
休憩を挟みおよそ3時間の通し稽古が終幕し、キプリング家の人々の心情にどっぷり溺れて痺れが取れない筆者を置き去りに、すぐさま上村とキャスト陣が対面してのノート(チェック)が始まった。通し稽古で気になる箇所が出て来るたびに、上村は台本のそのページを折っていた。見事に膨らんだ台本を1ページずつチェックしながら、テンポよく指示を繰り出していく。
「育ちのこともあるから、眼鏡はそんなに力強く置かないで」
「蝋燭を持って運ぶ時に、ちょっと手を添えてくれますか?」
「ここの台詞の入りが、気持ち遅い気がしましたね」
非常に細かい指摘の数々に、俳優陣は「ああ〜!」と納得の声をあげたり、すぐにその場で台詞を繰り返したり。上村が自ら立って演じてみせると、その緻密な表現に感嘆の爆笑が起こる。「でも、もしかしたら初日を観た後に、やっぱりやめてって言うかも」。冗談まじりの一言に再び爆笑だ。
ノートの最中に上村が口にした「現場にいない知識を持った人たちが、戦況とは違うところで論戦する。そうした、インテリジェンスたちが起こした戦争」という言葉に思いを巡らした。時代の価値観、名誉欲、体裁などに狂わされた家族の運命、その痛みと普遍の愛の重みが、いつまでも鈍く胸に残る。劇空間の深淵をしぶとく探り続ける上村演出と、演出家の信頼を得た表現者たちによる、今出会う価値のある舞台、と痛感。次は劇場で、この演劇がもたらす豊かな痺れに再会したい。
取材・文 上野紀子
撮影 岡 千里
アフタートークショーの実施が決定!
東京
- 10/8(日)18:00公演終了後
- 登壇者:眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎
- 10/16(月)13:00公演終了後
- 登壇者:眞島秀和、倉科カナ、夏子
兵庫
- 11/3(金祝)13:00 公演終了後
- 登壇者:眞島秀和、倉科カナ、上村聡史
司会:土屋佑壱
- 11/4(土)13:00 公演終了後
- 登壇者:眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎、夏子
司会:土屋佑壱
- 公演当日の公演チケットをお持ちのお客様が対象となります。ご観劇時と同じお席でご覧ください。
- 登壇者は変更になる可能性がございます。
INTRODUCTION
息子は必ず帰ってくる。
家族はそう信じていた。
「ジャングル・ブック」などで知られるノーベル文学賞受賞作家、ラドヤード・キプリングが、
第一次世界大戦中に書いた詩「My Boy Jack」。
声高に戦争が悪いとも、戦争に行かなければよかったとも、息子を返せとも言わず、
荒れ狂う風と潮に翻弄され、なすすべもなくいる者のやり場のない憤りや嘆きが語られている。
名優デイヴィッド・ヘイグが戯曲化し、1997年にウェストエンドで上演、イギリスで2007年にテレビ映画化された際には、
息子役をダニエル・ラドクリフが演じたことも話題となった本作。
戯曲の面白さを最大限に引き出す上村聡史の演出によって、今秋全国4か所で上演。
激戦が続く第一次世界大戦。健康な体があるなら戦地に行くべしと声高に理想を語る父ラドヤードは、
酷い近視ゆえに軍の規則で入隊出来ない息子を、人脈をつかって軍にねじ込む。
母親と姉は、必死に不安を圧し殺しながら日々を暮らす。戦意高揚を謳っていた父親も、
日が経つにつれて不安にさいなまれるようになる。
ハンデがあるにもかかわらず必死に努力し将校になったジョン(ジャック)は、西部戦線へと出征する。
厳格だが優しい父と、無償の愛を注ぐ母との幸せな家庭で育った彼は、銃弾が飛び交う戦場を体験する。
ある朝、突撃ラッパが鳴り響く中、彼の中隊に突撃命令が下る。数時間の激闘が終わり兵士たちは
次々と傷つきながら塹壕へと引き上げてくるが、そこにジャックの姿はなかった。
CAST
演出
上村聡史
2001年に文学座附属演劇研究所入所し、18年同劇団を退座。現在はフリーとして活動。09年より文化庁新進芸術家海外留学制度において1年間イギリス・ドイツに留学。第56回紀伊国屋演劇賞個人賞、第22・29回読売演劇大賞最優秀演出家賞、第17回千田是也賞を受賞。近年の主な舞台演出に、『エンジェルス・イン・アメリカ』『4000マイルズ』『A・Number』『野鴨-Vildanden-』『ガラスの動物園』『斬られの仙太』『Oslo(オスロ)』『ミセス・クライン』「約束の血『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』『森 フォレ』」など。
出演
-
ラドヤード・キプリング
眞島秀和
COMMENTまたとてつもなく高い壁が、目の前に現れました。 稽古が始まるのはまだちょっと先ですが、今から楽しみです。なんてことは正直言えません。
しかし、難しい事に挑戦できるのもこの仕事の醍醐味です。
戦場に息子を送り出す父親という役を、今、演じる意味を感じながら、初めてご一緒する演出の上村さん、出演者、スタッフの皆様と一緒にこの作品をお届けします。
頑張ります。PROFILE山形県出身。1976年生まれ。
李相日監督の映画デビュー作「青chong 」で、俳優としての道をスタート。
映画、TVドラマ、舞台、CMなどで幅広く活躍。近年の主な出演作に、読売テレビ「おじさんはカワイイものがお好き。」(主演)、MBS「#居酒屋新幹線」(主演)、ネットフリックス「金魚妻」、TBS 「パパとムスメの 7 日間」など。舞台出演は『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』『月の獣』『クランク・イン!』などがある。2020年から経済ドキュメンタリー番組「日経スペシャル ガイアの夜明け」のナレーターを担当している。2022年4月に、2冊目となる写真集「Home」を刊行。 -
キャリー・キプリング
倉科カナ
COMMENT今回、「ガラスの動物園」でご一緒させて頂いた上村さんはじめ、とても仲の良いマッシーこと、眞島さんとの夫婦役、体当たりしても受け止めてくださるという安心感があります!
私が演じる戦争に息子を送り出した母親・キャリーという役的にも、お互いに静かにリングに上がり、静かに殴り合い、静かに血の涙を流しているようなイメージのある作品だったので、みんなで緻密に役を掘り下げ、板の上では、思い切りぶつけられるように稽古を重ねていけたらと思っています。
戦死しても英雄となる。名誉とは英雄とはなにか、今一度考えるべき事だな、と台本を読み強く思いました。
戦争というものに対して、キプリング家の中でも意見が違う、きっと観てくださった方々も色んな意見があると思います。正しいや間違いという事でなく、一緒に考えてみるきっかけになれば良いなと思っています。PROFILE熊本県出身。1987年生まれ。
2009年度後期のNHK連続テレビ小説「ウェルかめ」で主演に抜擢され、以降ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍。主な出演作はドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」「正直不動産」「大奥 5代徳川綱吉×右衛門佐」「隣の男はよく食べる」、映画「夢売るふたり」「遠くでずっとそばにいる」「3月のライオン」「女たち」など。『ライ王のテラス』『チャイメリカ』『お勢、断行』『蜘蛛巣城』と舞台出演も多く、『雨』『ガラスの動物園』での演技が評価され、第29回読売演劇大賞 優秀女優賞を受賞。 -
ジョン・キプリング
前田旺志郎
COMMENT舞台を何度も拝見した事がある上村さんからの演出を受けられる事に、稽古前の今から緊張とワクワクで興奮しております。
今回、僕がやらせていただくジョンという役は、戦地に出て戦う事に憧れを持つ青年です。家族からのプレッシャーを感じながら、それでも戦地へ行き、家を出たいと強く思っています。
ジョンは本作のテーマである親子愛や、戦時中の価値観のぶつかりを担うとても重要な役どころだと感じております。
それだけの大役なので、見ていただく皆様にジョンという人間を強く印象づけられるように、この役を大切に演じていきたいなと思います。
皆様の心に残るような舞台になるよう全力で努めますので、是非ご覧ください。PROFILE大阪府出身。2000年生まれ。 子役としてデビュー後、兄と組んだお笑いコンビ『まえだまえだ』として活躍。俳優としても、映画、ドラマ、舞台などに幅広く出演。主な出演作に連続テレビ小説「おちょやん」、映画「海街diary」「キネマの神様」など。本年はドラマ「女神の教室〜リーガル青春白書〜」「Dr.チョコレート」「量産型リコ」、映画「わたしの幸せな結婚」などに出演。
舞台出演は『最貧前線』『NIPPON・CHA!CHA!CHA!』『愛するとき 死するとき』『夜の女たち』などがある。 -
エルシー・キプリング
夏子
COMMENT戯曲『マイ・ボーイ・ジャック』は『ジャングル・ブック』を生み出した作家ラドヤード・キプリングが残した詩をもとにうまれた、家族の物語です。
長女を病で失い、息子を戦争で失ったラドヤード・キプリング。
自然的な死と悲人道的な死を経験したキプリングの作品は、読めば読むほど、そこにはジャックの死以外にも、長女ジョセフィンへの想いも複雑に絡んでいるように思いました。
私の演じる、次女エルシーは姉と弟を亡くしています。
大人と子供の狭間の少女は、父親を愛する気持ちと戦争を肯定した父親への不信感に大きく揺れたはずです。エルシーのセリフひとつひとつは誰よりも素直で、その素直さが胸に刺さります。
そんなエルシーを、これから稽古で見つけていければと思います。PROFILE東京都出身。1996年生まれ。 2015年、ファッション誌『SEDA』の専属モデルとしてデビューし、数々の雑誌やキャンペーンなどに出演。2016年に女優デビューし、2019年『BACKBEAT』初舞台でヒロイン役に抜擢され、『私たちは何も知らない』バッカーズ演劇奨励賞「大賞」を授賞。
その後、『赤鬼』(’20)『東京ゴッドファーザーズ』(’21)『ヴィンセント・イン・ブリンクストン』(’22)など舞台にも継続して出演。2022年にフジテレビ系ドラマ「アイゾウ 警視庁 心理分析捜査班」で地上波連続ドラマ初主演を果たす。現在、映画「ABYSS (アビス)」(監督:須藤蓮)や映画「岡本万太」(監督:真田宗仁郎)が公開待機中。
-
ロリー・ポトル陸軍大佐/マイケル・ボウ
佐川和正
-
チャールズ・スパークス陸軍少佐/
ジョージ・マクヒュー土屋佑壱
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ジミー・ドイル/ミスター・フランクランド
小林大介
STAFF
- 作:デイヴィッド・ヘイグ
- 翻訳:小田島則子
- 演出:上村聡史
- 美術:乘峯雅寛
- 照明:勝柴次朗
- 音響:加藤温
- 衣裳:前田文子
- ヘアメイク:鎌田直樹
- 演出助手:渡邊千穂 塩屋愛実
- 舞台監督:篠崎彰宏
- 宣伝美術:柳沼博雅
- 宣伝写真:渞忠之
- 宣伝スタイリスト:菊池志真
- 宣伝ヘアメイク:奥戸彩子 柗本和子
SCHEDULE & TICKET
東京
TOKYO
-
202310.7
SAT〜
-
10.22
SUN
※全19ステージ(予定)
★・・・アフタートークあり
10/8 18:00
登壇者:眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎
10/16 13:00
登壇者:眞島秀和、倉科カナ、夏子
※開場は各回開演の45分前
※未就学児入場不可
- 一般発売日
- 2023年7月15日(土)10:00AM
- チケット
-
- 全席指定:9,800円(税込)
- U25チケット:5,500円(税込)
- 新宿区区民 特別割引:9,300円(税込)
新宿区民割引は、当日券の販売となります。
公演当日、ご住所が分かる身分証明書をお持ちの上、「当日券受付」までお越しください。
公演毎の販売状況によって、販売実施がない可能性がございます。- チケットぴあ(Pコード:519-770)
セブンイレブン店頭 - イープラスファミリーマート店頭
- ローソンチケット(Lコード:33348)
ローソン/ミニストップ店内(Loppi) - CNプレイガイドファミリーマート店舗
電話予約 0570-08-9999(10:00~18:00) - 楽天チケット
- キノチケオンラインキノチケットカウンター
(店頭販売 10:00-18:30)
紀伊國屋書店 新宿本店内
1階インフォメーションカウンター
U25チケットは一般発売より、「当日引換券」にて販売
観劇時25歳以下の方が対象となります。当日、身分証明書を確認いたします。
(コピー・画像不可、原本のみ有効)チケットご購入後、キャンセル・変更・払い戻しはできません。
チケットのご購入に関しまして、ご自身の体調や環境などを考慮のうえでよくご検討いただき、慎重にご判断くださいますようお願い申し上げます。
車椅子スペースをご希望のお客様は、チケット購入後にサンライズプロモーション東京へご連絡ください。
また、車椅子スペースには限りがございますため、ご購入のお座席でご観劇いただく場合もございます。
予めご了承くださいませ。
チケット情報
福岡
FUKUOKA
-
202310.28
SAT
14:00開演
-
10.29
SUN
13:00開演
※開場は各回開演の45分前
※未就学児入場不可
- 一般発売日
- 2023年7月15日(土)10:00AM
- チケット
-
- S席:9,800円
- A席:8,800円
- U25チケット:5,500円
- チケットぴあ(Pコード:520-022)
セブンイレブン店頭 - イープラスファミリーマート店頭
- ローソンチケット(Lコード:81722)
ローソン/ミニストップ店内(Loppi) - CNプレイガイドファミリーマート店舗
電話予約 0570-08-9999(10:00~18:00) - 楽天チケット
- キャナルシティ劇場
全て税込価格となります。
U25チケットは一般発売より、「当日引換券」にて販売
観劇時25歳以下の方が対象となります。当日、身分証明書を確認いたします。
(コピー・画像不可、原本のみ有効)チケットご購入後、キャンセル・変更・払い戻しはできません。
チケットのご購入に関しまして、ご自身の体調や環境などを考慮のうえでよくご検討いただき、慎重にご判断くださいますようお願い申し上げます。
車椅子スペースをご希望のお客様は、チケット購入後にキョードー西日本へご連絡ください。
また、車椅子スペースには限りがございますため、ご購入のお座席でご観劇いただく場合もございます。
予めご了承くださいませ。
チケット情報
兵庫
HYOGO
-
202311.3
FRI
13:00開演
-
11.4
SAT
13:00開演
-
11.5
SUN
13:00開演
アフタートーク実施決定
11/3(金祝)13:00 公演終了後
登壇者:眞島秀和、倉科カナ、上村聡史
司会:土屋佑壱
11/4(土)13:00 公演終了後
登壇者:眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎、夏子
司会:土屋佑壱
※開場は各回開演の30分前
※未就学児入場不可
- 一般発売日
- 2023年8月5日(土)
- チケット
-
- 全席指定:9,000円(税込)
1 芸術文化センター2階総合カウンターでの販売は、
8月6日(日)より、残席がある場合のみ
-
- 主催
- 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
- お問合わせ
- 芸術文化センターチケットオフィス
0798-68-0255
(10:00~17:00/月曜休み※祝日の場合は翌日)
- 兵庫公演インフォメーション >
チケット情報
愛知
AICHI
-
202311.11
SAT
13:00開演
-
11.12
SUN
13:00開演
※開場は各回開演の45分前
※未就学児入場不可
- 一般発売日
- 2023年7月15日(土)10:00AM
- チケット
-
- 全席指定:10,000円
- 車いす席:10,000円
- U25チケット:5,000円
- メ~チケ電話予約 052-308-5630
(オペレーター/一般発売後の平日 10:00~17:00) - チケットぴあ(Pコード:520-062)
セブンイレブン店頭、中日新聞販売店 - イープラスファミリーマート店頭
- ローソンチケット(Lコード:42405)
ローソン/ミニストップ店内(Loppi) - 名鉄ホールチケットセンター電話予約 052-561-7755(10:00~18:00)
全て税込価格となります。
車いす席、U-25はメ~チケ(車いす席は電話のみ)にて一般発売より取り扱い
U-25は、観劇時25歳以下対象(当日指定席券引換・座席数限定・要本人確認書類)
-
- 主催
- メ~テレ、メ~テレ事業
- お問合わせ
- メ~テレ事業 052-331-9966(平日10:00~18:00)
- 愛知公演インフォメーション >
チケット情報
ノーベル賞を受賞し、イギリスを代表する小説家でもあり詩人のラドヤード・キプリング。その輝かしい功績とは逆に、『帝国主義の伝道者』とも評された、近代の知性を象徴するような人物。本作は、俳優としても活躍するデイヴィッド・ヘイグが、キプリングの同名の詩に影響を受け、創作された物語ですが、時代を切り開こうとする人間の知性の闇を描いているように、私は感じます。“帝国主義”と聞くと、前時代的で恐ろしい印象ですが、“愛国心”と聞くと、大きな共同体に対し、献身的な印象があります。しかし、この二つは紙一重で、「国の正義のため」という名目のもと、個人の未来や人間性を崩壊させる殺傷能力があります。そしてそれは、ほんの百年前の世界、つまり戦争の世紀に大きく渦巻いていましたが、果たして現代の私たちは、本当の意味で、百数年前から前進しているのでしょうか?
この物語は、第一次世界大戦の時代を舞台にしたキプリングの家族の物語ですが、栄誉、地位、名声といった男性の知性が作り出した威光が、一気に闇に包まれていく様を、この時代に立ち上げることができればと思います。